オオスズメバチから身を守ろう


□服装に注意
 
スズメバチやミツバチは、黒くて動くものに対して攻撃する性質があります。これは、よく巣を襲うクマに対する防衛本能だといわれています。スズメバチがいそうな場所へ行くときは、黒い服装は避けましょう。黒髪も帽子をかぶるなどして隠すべきです。(金髪に染めるのもいいかも。)
 
また、ハチは各種のフェロモンにコントロールされて生活する昆虫で、においに敏感です。香水や整髪料などの中には、ハチを興奮させるものがあります。自然の中へ出かけるときは化粧品はできるだけ使わないようにしましょう。

□ハチを刺激しない − 探索中のハチに合ったとき
 
林の中で、獲物を探しているオオスズメバチに合うことがあります。あまりに大きいので、近くに飛んでくるとパニックになって、逃げ回ったり、追い払おうと手を振り回したりしがちですが、それはハチを怒らせる行為です。ハチは自分が攻撃されていると勘違いして、身を守るために反撃してきます。探索中のハチは人に合っただけで刺したりはしません。じっと動かないでやり過ごすのが正しい対処法です。たとえハチが体にとまったとしても、身動きしなければそのうち飛び去って行きます。動かないものは敵と認識しないようです。もっとも、4センチ以上もあるハチにとまられてもじっとしていられる人は少ないかもしれませんが。
 
私は、何かが首筋にとまったので払いのけようとしたらそれがアシナガバチで、刺されたことがあります。洗濯物を取り込む時に、それにとまっていたハチに刺されたという話もよく聞きます。ハチがいる可能性を常に頭に入れて行動しましょう。
 
もちろん、スズメバチを叩き殺そうとしたり捕まえようとしてはいけません。危険すぎます。上の写真のような接写もやめたほうがよいでしょう。

□巣に近づかない
 
社会性の昆虫であるスズメバチは、巣を守るために生きているといっても過言ではありません。巣を攻撃してくる敵に対しては、集団で猛烈に反撃します。
 
もし複数のスズメバチが飛びまわっているのに出合ったら、近くに巣がある可能性があります。それらのハチがカチッカチッというような音を立てているときは、確実にそこに巣があります。この音はハチが大あごを打ち合わせて出す音で、「これ以上巣に近づいたら攻撃するぞ」という警告音なのです。そのような場合は、速やかにしかも静かに、その場を離れてください。
 
遠足の小中学生がスズメバチに襲われたというニュースをよく見ます。大勢の子供達が、スズメバチの警告に気づかずにドタバタと巣の近くを歩くからで、地中に巣のあるスズメバチはその振動を感じて、巣が攻撃されると思って集団で反撃するのです。いったん攻撃フェロモンが撒き散らされると、まるでスイッチが入ったように攻撃モードに転じ、ハチは狂ったように襲ってきます。大事なのは、早期に危険を察知して回避することです。
 
もし人家の近くでスズメバチの巣を見つけたら、危険を減らすために、その巣とハチは駆除すべきです。でも、間違っても自分で退治しようなどと考えないでください。スズメバチ駆除の専門家にお願いしましょう。

□万一刺されたら
 
まず、注入された毒液を速やにかつできるだけ多く取り除くことが重要です。ハチの毒は水に溶けるので、刺された部分を両手の指で強くつまんで毒を絞り出しながら水で洗い流します。オシッコのアンモニアがハチの毒を中和するというのは迷信ですが、毒を洗い流すためには、水筒のお茶でも何でも使うべきです。ただし、雑菌が刺し傷に入るといけないので、汚い水はさけてください。アウトドアショップには「ポイゾンリムーバー」という、ハチやヘビの毒を吸い出すための救急用具が売られています。準備しておくのもよいかもしれません。薬としては、抗ヒスタミン剤を含有したステロイド軟膏を塗ります。
 
応急処置が済んだら、すぐに近くの病院へ行きましょう。ショックの兆候が見られたら、救急車を呼ぶことも考えましょう。もしアナフィラキーショックが起きると、短時間のうちに危篤状態になります。ゆっくりしている余裕はありません。なお、ハチ毒に対する抗体ができているかどうかは病院で調べてもらえます。他のハチに刺されただけでも、スズメバチの毒に対する抗体ができることがあるそうです。野外での活動が多い人はあらかじめ調べてもらって、対策(ショックを抑える薬など)を準備しておくとよいでしょう。
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